テキストでの検索キーワードに最適化することを「SEO」と言うよに、音声検索の最適化を「VSO」と言われるマーケティング手法も聞かれるようになってきました。
目次
音声検索が、2020年までに50%に?
近年、音声検索を搭載したデバイスの普及が上がってきています。
1. スマホの音声検索搭載の普及
(iPhone Siri/Google Assistantなど)
2. スマートスピーカーの普及
(Amazon Echo/Google Home/Home Padなど)
3. IoT端末の拡大
(Amazon Alexa、Google Assistantなど)
このようなデバイスの市場動向から
「2020年までに、音声検索がモバイル検索で50%に達する。」
と予測されています。
さらに今後、IoT化が進み、冷蔵庫や、電灯のスイッチ、あらゆる家電製品や自動車までが音声検索に対応し、ユーザーの日常生活で、自然に音声でインターネットに触れる機会は増えることでしょう。
そんな音声対話が当たり前になる時代に向け、音声検索対応したWebサイトとはどういうものか?
検索キーワードエンジン最適化のSEOに対し、音声検索最適化「VSO(Voice Search Optimization)」について考えていきたいと思います。
音声だけで天気やニュース、スマートホーム対応家電などをリモート操作できるスマートスピーカー
音声検索最適化の方法 (VSO)
今からサイトできる音声検索最適化(VSO)の方法の一つを紹介していきます。
音声検索最適化の考え方 (VSO)
1. まずは、モバイルフレンドリー対応をしっかりする。
2. アクセス解析で、音声検索キーワード流入を分析する。
3. スマートデバイスの音声対話の設計を参考にする。
4. 音声検索の利用シーンを想定して、ユーザー体験を設計する。
1. まずは、モバイルフレンドリー対応をしっかりする。
音声検索の特別な対応よりもまず、ユーザーに有益なコンテンツを提供しているか?モバイルサイトとして使いやすいか?の基本が大事になってきます。
「キーワード検索」「音声検索」どちらから訪問したとしても心地よいサイト(音声ではレスポンス)になっているか?かを確認してきます。
▼Googleモバイルフレンドリーテスト
https://search.google.com/test/mobile-friendly
▼PageSpeed Insights
https://developers.google.com/speed/pagespeed/insights/?hl=J
レスポンスにも影響する、表示速度のパフォーマンスチューニングなども重要です。
現時点でのユーザー利用・市場シェアからも、キーワード検索が多い状態なので、まずはサイトをきっちりモバイルフレンドリーで作り、ユーザーに支持されてサイトの評価をあげて、音声対応も行う、というアプローチが有効です。
2. アクセス解析で、音声検索キーワード流入を分析する
現時点では「Google Search Console」や「Google Analytics」で、機能としての音声検索キーワードに関する分析方法は提供されていません。(2019.08時点)
しかし、ログから音声検索キーワードを予測することはできます。
例えば「渋谷で、美味しいパスタのお店を教えて」など、自然な会話のような検索クエリーがあれば、音声検索流入である可能性が高いです。
これを元に音声検索流入数が増えてきたな、など対策を考えることができます。
次にこの「自然な会話」というものをどう捉えるか?について考えていきます。
3. スマートデバイスの音声対話の設計を参考にする
音声検索で利用されるであろう「自然な対話」とは、結局何なのか?
実際に音声でのやり取りを想定して設計されている、スマートスピーカーの音声対話の仕様を把握することで、音声検索がどういうものなのか仕組みや構造を理解し、対策に役立てることができます。
世の中の大部分で利用されているスマートデバイスの
「Amazon Alexa」と、「Google Assistant」のガイドラインドキュメントを参考にすると
▼音声対話をデザインする – Alexa Skills Kit
https://developer.amazon.com/ja/alexa-skills-kit/design
Alexaエクスペリエンスの音声デザイン
・柔軟性を持たせる
・パーソナライズする
・わかりやすくする
・自然な会話にする
▼Conversation design – Google Assistant
https://designguidelines.withgoogle.com/conversation/conversation-design/welcome.html
ガイドラインの目的
・ユーザーにとって自然で直感的な会話を実現する。
・すべてのデバイスに会話を拡大して、ユーザーがどこにいても役立てるようにする。
共通する音声対話デザインの考え方として
・ユーザーがどういう文脈・意図で、音声を投げかけているか?(キーワードに含まれていなくても)
・それに対して、どういう対話を返すとユーザー体験が良くなるか?
このやり取りを試行錯誤することで、ユーザーの満足度を上げ、ユーザーの体験を良くしていきます。
「音声検索」→「検索結果」も、ユーザーから見ると、日常生活シーンの中の対話の一部と感じることでしょう。
例えば、休日のランチで料理するシーンを
・状況:自宅の台所で、パスタを作りたい
・行為:パスタを茹でる。ちょうどいい硬さになる時間を測りたい。
・音声:「xxxx, 5分のタイマーをかけて」
加えて、料理する前に「オススメのレシピはないか?」を聞いたり
スパイスが切れていたらEC注文などのシーン考えられると思います。
将来的には、買い物から料理まで、トータルでアシストしてくれる日が来るかもしれません。
スマートディスプレイ
音声インプットに対して、音声で返すスピーカーだけでなく、
スマートディスプレイと言われる、「音声検索」→結果を「ビジュアル+音声」で返答するデバイスもシェアを広めつつあります。
どういうユーザーの利用シーンで、デバイスや音声が登場するのか、全体のジャーニー(流れ)で考えることがユーザーに有益かつ、満足度の上がる設計に繋がります。
4. 音声検索の利用シーンと心理から、UXを考える。
グローバルで広まりつつある、IoTデバイスと音声検索ですが
現状の日本では、住宅事情や音に対して敏感、恥ずかしいといった国民性・文化があると思われ、音声普及はグローバル比較するとあまり広がっていません。
日本で、ユーザーが音声を利用しやすいシーンを考えると
・家にいる時など
リビングで動画検索、音楽を聴く、手が使えない料理中、出かける前に天気…など
・自動車の中など
密閉された空間、目的地や店を探す、運転中…など
人目を気にしなくていい「パーソナルスペース」で利用されやすいというシチュエーションと音声は相性がいい、と想定すると
生活シーンのどこで音声の対話が生まれるか、イメージしながらUXデザインすることができます。
このイメージを持つと、サイトの音声検索最適化の設計をもイメージしやすくなると思います。
まとめ
![](http://uxbear.me/wp-content/uploads/2019/08/people-2564425_1920-1024x526.jpg)
音声検索最適化(VSO)とは何か?
音声入力とデバイスのシェア動向、ユーザーの利用シーンや心理と合わせた設計方法を交えてご紹介しました。
音声検索最適化(VSO)の方法
1. まずは、モバイルフレンドリー対応をしっかりする。
2. アクセス解析で、音声検索キーワード流入を分析する。
3. スマートデバイスの音声対話の設計を参考にする。
4. 音声検索の利用シーンから、ユーザー体験を設計する。
まだキーボードを打てない子供の方が、感覚的にデバイスと自然な対話をするとも言われています。
利用シーンやシチュエーション、なぜその音声を発したのか?の文脈をイメージし
ユーザーの「ニーズ」に「より的確・端的に応える」コンテンツや価値を提供していくことが、ますます重要になってくると思われます。
キーワード検索でも、音声検索でも、同様のことが言えます。
まずは、サイトがユーザーが求めるものの解決や価値を提供できているか?を組み立て、今後のIoT市場や検索流入の変化などを定期的に追っていき、
ユーザー文脈にあったコンテンツやインターフェイスを提供していくことが、一層求められると思います。