【資産運用】個別銘柄を過去データから検証 – Portfolio Visualizer

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必ずしも安心と言い切れない将来に向けて資産運用を考える時、よく「運用の成果の8割以上は資産配分で決まる」と言われます。

中長期の資産運用を考える時に、「もしリーマンショックの時みたいなことが起きた場合どうなるの…?」など、過去データにさかのぼって投資成果(損益)がどうなるかシミューレションするバックテストという方法があります。

今回は「Google株」のような個別銘柄を過去データから検証する方法をご紹介します。

※投資は、自己責任でお願いいたします。

そもそもバックテストとは?

【Backtesting】

バックテストとは、戦略またはモデルが、過去にさかのぼってどのぐらい成功するかを確認する方法。過去データからシミュレーションし、トレード戦略の実行可能性を評価する。

Investopeida引用: https://www.investopedia.com/terms/b/backtesting.asp

投資信託やインデックス投資家など、中長期的な投資を考えると、ある程度の期間の過去データからのシミュレーションも大事になってくるという話ですね。

便利なバックテストツール「Portfolio Visualizer」

以前は各サイトからデータをダウンロードして、エクセルで集計してシミュレーションしていたのですが、複数の銘柄や資産クラスを組み込むのが意外と大変でした。

米国を中心とした投資を行う場合にですが、便利な無料ツールがあります。

Portfolio Visualizer

Portfolio Visualizerは、ポートフォリオと投資分析のためのオンラインツールで、ポートフォリオと投資製品を比較・分析をサポートしてくれます。

対応機能

  • ポートフォリオのモデリングとバックテスト
  • モンテカルロシミュレーション
  • ポートフォリオの最適化
  • 因子モデル
  • 戦術的な資産配分

無料で使用することができます。より高度な機能を使いたい方には有料プランもあります。

個別銘柄を検証してみる

PortfolioVisualizer から “Backtest Portfolio” を開くと、下記のような入力画面が出てきます。

Backtest

デフォルトの設定でも、アセット(銘柄)と配分比率を入力すればバックテスト自体はできますが、

より自分好みの分析をするには、各項目のパラメーターも入力していく必要があります。

Google株と比較対象を入力

今回はサンプルとして、Google株(Alphabet Inc Class A / NASDAQ: GOOGL)のバックテストを行うのですが

ベンチマークとして、“60/40ポートフォリオ”と言われる“株式60%:債券40%”のバンガード社のVanguard Balanced Index Inv(VBINX)と比較してみます。

Benchmark 項目のプルダウンから

Benchmark: Vanguard Balanced Index Inv

を選択してみます。

他にも設定したい項目があればカスタマイズして検証することができます。

英語で説明されていますが、それぞれの項目の意味がわかればさほど難しくありません

設定項目

Portfolio viewアセット選択方法
ListView カテゴリから選択
TableView 一覧から選択

※ページ下部の”Asset Class”の表示項目です。
Time Period過去のパフォーマンスの表示形式
Year on Year: 前年比
Month on Month:先月比
Start Year検証の開始年
End Year検証の終了年
Initial Amount初期投資額(USドル)
Cashflowsデフォルト:
None: 初期投資後の追加投資、取り崩しなし
選択可能:
Contribute fixed Amount: 定額追加投資
Withdraw Fixed Amount: 定額取り崩し
Withdraw Fixed Percentage: %取り崩し
インフレや取り崩しの周期も選べます。
Rebalancing資産の再配分(リバランス)

デフォルト:
No Rebalancing: 再配分しない
その他選択:
・再配分のタイミング

※相場が変動で当初決定した資産配分が変わった時、
 定期的に資産配分比率を当初計画に合わせて修正。
Benchmarkベンチマーク
他の投資アセットとのパフォーマンス比較。

デフォルト:
None: 指定しない

その他選択:
・他アセットとパフォーマンス比較することができます。
Portfolio Nameデフォルト:
None: 指定しない
その他選択:
・ポートフォリオに
 それぞれ名前をつけることができます。

資産配分 – Asset Allocaiton

今度はページの下の方に"Asset Allocation"という項目があります。

Google

今回は試しに、Google株(Alphabet Inc Class A)を指定してみます。
ティッカー銘柄は下記のようになります。

NASDAQ: GOOG
  1. "Asset Class"から、組み込みたい資産クラス名を選択
  2. "Portfolio #1"に、配分比率(%)を指定

全部で100%になるようにします。

入力し終わったら “Analyze Portfolios” ボタンを押して検証開始です。

銘柄のバックテスト結果

設定した条件で、ポートフォリオのバックテスト結果が表示されます。

配分比率 – Portfolio Allocations

設定したポートフォリオのアセットの配分比率と円グラフが表示されます。

今回は、Google株のみ指定したので100%になっています。
複数銘柄入力すると比率が表示されます。

Portfolio Results

今回のケースだと「Alphabet Inc. のデータ利用が可能な2004年を検証開始年にしてるよ」と青いボックスで通知されています。

リターン – Portfolio Returns

PortfolioReturn

指定したポートフォリオのバックテスト結果の一覧です。

ベンチマークで指定した、バンガード社のVanguard Balanced Index Inv(VBINX)が比較対象として表示されています。

Portfolioポートフォリオの名前
Initial Balance初期投資額
Final Balance終了年の資産額
GAGR年平均成長率
“Compound Annual Growth Rate”の略
複利計算によって求めた成長率
Best Year最高年のパフォーマンス(年率)
Worst Year最低年のパフォーマンス(年率)
Max.Drawdown最高値からの最大下落率
Sharp Ratio投資効率性
リスクに対してのリターン率
大きほど、投資効率性が高い。
Sortino Ratio投資効率性投(損失のみ)
下落時リスク対してのリターン率
大きほど、投資効率性が高い。
US Mkt Correlation株式市場との相関係数(0 – 1)
1に近いほど株に近い動き。

資産額推移 – Portfolio Growth

ポートフォリオの資産額の成長推移が、指定期間での年次グラフで表示されます。

Growth

Google株(Alphabet Inc Class A / NASDAQ: GOOGL)が青線で、

ベンチマークで指定した、バンガード社のVanguard Balanced Index Inv(VBINX)が赤線で比較対象として表示されています。

チェックボックスを押すと、表示を切り替えることができます。

Logarithmic scale対数スケール
ある量について、広い範囲の正の値について表す。
Inflation adjusted設定したインフレ率を織り込む

年リターン率 – Annual Returns

ポートフォリオの年次のリターン率(%)です。

Annual Return

「2007年のリーマンショック時には、どのぐらい下落したのだろう?」などと、年別のリターン率をシミュレーションすることができます。

ここもベンチマークで指定した銘柄と、リターンを比較することができます。

まとめ

ビーチ

Portfolio Visualizer を使うと、自分のポートフォリオを過去からのパーフォーマンスの年次推移をシュミレーションすることができました。

便利なバックテストツールを使うことによって、ポートフォリオを検証しながら、自分に合った資産運用を作り上げていくことができます

自分の大事な将来設計と資産なので、自分に合う投資スタイルとポートフォリオを色々と探っていきたいですね。

※ 投資は、自己責任でお願いいたします。

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