米国の長期・中期・短期の国債や社債の、バランスの良い組み合わせと、毎月配当金が魅力の、米国の債券市場全体と同じ値動きを目指す債券ETF「BND」について
過去パフォーマンステスト分析、米国債20年超ETF「TLT」との違いを比較してみました。
目次
BNDとは?
米国における公債、投資適格、課税対象、債券の幅広いパフォーマンスを測定するブルームバーグ・バークレイズ・キャピタル総合債券指数
に連動を目指す米国籍のETF(上場 投資信託)です。
BND
: バンガード・トータル債券市場ETF(Vanguard Total Bond ETF)
BNDの価格
BNDの概要
米国債券分散投資の「BND」と、米国債20年超ETF「TLT」を比較してみました。
※最新情報は運営会社のサイトを確認ください。
銘柄 (ティッカー) | BND | TLT |
運用会社 | Vanguard | Black Rock |
ベンチマーク | ブルームバーグ・ バークレイズ 米国総合浮動調整 インデックス | ICE米国国債20年超指数 |
構成銘柄数 | 9,719銘柄 | 米国財務省証券 |
コアセクター | 国債 政府保証付不動産担保証券 資本財 | 残存期間が20年を超える 米国債 |
ETF純資産 | 約871億USドル | 約300億USドル |
リバランス | – | – |
配当時期 | 毎月 | 毎月 |
直近配当金 利回り (年率%) | 2.91% | 3.23% |
経費率 (年率%) | 0.03% | 0.15% |
設定日 | 2007/04/10 | 2002/07/26 |
米国の長期・中期・短期の、国債や社債といった債券市場全体の
格付けレートの高い債券
毎月、配当金が出る
と行った、安定性が特徴です。
運営会社「バンガード」「ブラックロック」については、こちらの記事も合わせてお読みください。
投資アプローチ
- ブルームバーグ・バークレイズ米国総合浮動調整インデックスのパフォーマンスへの連動を目指す。
- インデックス・サンプリング法を用いたパッシブ運用。
- 米国の投資適格債券市場全体への幅広く分散。
- 中期デュレーションのポートフォリオ。
- 信用力が高く、安定したインカム・ゲインを提供。
ブルームバーグ・バークレイズ米国総合浮動調整インデックスとは? 日本を含む世界の投資適格債券の代表的な指数。 世界の国債に加え、政府関連債、社債および資産担保証券で構成。 - WikiPediaより
BNDの構成比率
BNDの主なデータ、格付、残存期間、発行体、それぞれの構成比率です。
ETFの主なデータ
項目 | BND | ベンチマーク |
---|---|---|
構成債券銘柄数 | 9,719 | 11,690 |
平均デュレーション | 6.6 年 | 6.4 年 |
平均残存期間 | 8.6 年 | 8.6 年 |
実効利回り | 1.0 % | 1.1 % |
平均クーポン | 3.1 % | 3.0 % |
格付別構成比率
信用格付 | BND |
---|---|
米国政府 | 63.7 % |
Aaa | 5.7 % |
Aa | 3.5 % |
A | 12.4 % |
Baa | 14.7 % |
Baa未満 | 0.0 % |
残存期間別構成比率
残存期間 | BND |
---|---|
1年未満 | 0.6 % |
1 – 3年 | 22.7 % |
3 – 5年 | 19.8 % |
5 – 10年 | 39.7 % |
10 – 20年 | 3.9 % |
20 – 30年 | 12.7 % |
30年以上 | 0.6 % |
発行体別構成比率
発行体 | BND |
---|---|
国債 | 40.8 % |
政府保証付不動産担保証券 | 21.1 % |
資本財 | 17.1 % |
ファイナンス | 8.9 % |
外国の発行体 | 5.6 % |
公益 | 2.0 % |
エージェンシー | 1.8 % |
商業用不動産担保証券 | 1.8 % |
その他 | 0.5 % |
アセットバック証券 | 0.4 % |
BNDの過去パフォーマンステスト
米国の長期・中期・短期の国債や社債のバランスの良い組み合わせの「BND」と、米国債20年超ETF「TLT」を比較しながら、過去パフォーマンスをPortfolio Visualizerで検証してみました。
ポートフォリオグロース
最も下落した年
BND | -10.35% |
TLT | -21.88% |
2022年のFRB利上げにより、 リーマンショック時より最大下落率が高く¥ -10.35% を記録しています。
最も上昇した年
BND | 8.83% |
TLT | 33.96% |
最大上昇率 8.83%と、株など比較すると高くはない結果です。
比較対象のTLT(米国債20年以上)が債券でも価格変動が激しい結果となりました。
年リターン推移
全期間のトータルリータン(年平均)
BND | 4.20% |
TLT | 7.67% |
下落局面、上昇局面の影響度から下記のような傾向が読み取れました。
- 安定的に手堅く年間成長のBND
- 価格変動が大きくトータルリターンのTLT
まとめ
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