米国の主要業種を代表する500銘柄”S&P500″との連動を目指すバンガード社のETF【VOO】の分析、同じくバンガード社のETF【VTI】比較と過去パフォーマンス検証していきます。
※投資は自己責任でお願いいたします。
目次
VOOとは?
VOO
バンガードS&P 500 ETF:Vanguard S&P 500 ETFは、米国籍のETF(上場投資信託)です。
S&P500種指数のパフォーマンスに連動する投資成果を目指す。
- 主に米国の大型株を保有
- S&P500種指数の全構成銘柄に投資
- 四半期ごとに時価総額加重平均を用いて保有銘柄ウエートを算定しリバランス。
S&P 500とは? S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているアメリカの代表的な株価指数。 ニューヨーク証券取引所、NYSE MKT、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を基に算出される、時価総額加重平均型株価指数。 - WikiPediaより
VOOの価格チャート
VOOの現在〜直近1年の株価です。
【VOO】【VTI】の概要と比較
S&P500指数との連動パフォーマンスを目指すETF【VOO】と、
同じバンガード社の、米国株式市場全体を投資対象するETF【VTI】を比較してみました。
最新の情報は運営会社サイトを参考ください。
銘柄 (ティッカー) | VOO | VTI |
---|---|---|
運用会社 | Vanguard | Vanguard |
ベンチマーク | S&P500 | CRSP米国総合指数 |
構成銘柄数 | 約505銘柄 | 約3,500以上 |
コアセクター | IT企業 ヘルスケア | IT企業 ヘルスケア |
ETF純資産 | 約6,312億USドル | 約4,811億USドル |
リバランス | 四半期 | 半年 1月、7月 |
配当時期 | 四半期 3月/6月/9月/12月 | 四半期 3月/6月/9月/12月 |
直近配当金 利回り (年率%) | 1.24% | 1.25% |
経費率 (年率%) | 0.03% | 0.03% |
設定日 | 2010/09/09 | 2015/10/22 |
どちらも米国株式市場を対象としたETFですが、ベンチマークに違いがあります。
【VOO】の過去5年間の株価とベンチマーク
米国株式の主要業種500を対象としたS&P500連動
【VTI】の過去5年間の株価とベンチマーク
米国株式全体をカバーする3,600銘柄以上のCRSP米国総合指数
どちらのETFもバンガード社の強みである、経費率の安さが特徴的です。
主要大型米国株にフォーカスした【VOO】と、中小企業含めた米国株式を広くカバーする【VTI】といったところでしょうか。
現在の時価総額が大きいIT企業の経営は、再投資方針が強いため、両方とも配当金は低めの傾向となっています。
運営会社「バンガード」についてはこちらの記事もご参考ください。
VOOの投資アプローチ
- S&P500指数のパフォーマンスへの連動を目指す。
- 大型株を投資対象。
- 完全法を用いたパッシブ運用。
- ファンドはフルインベストメントを維持。
- 低経費によってトラッキングエラーを最小限に抑える。
セクター構成比率
VOOの組み入れ銘柄のセクター構成です。
セクター | 構成比率(%) |
---|---|
情報技術(Information Technology) | 32.50 % |
ヘルスケア(Healthcare) | 11.10 % |
一般消費財(Consumer Discretionary) | 11.30 % |
通信(Communication Services) | 9.40 % |
金融(Financial) | 13.60 % |
資本財(Industrials) | 8.10 % |
生活必需品(Consumer Staples) | 5.50 % |
公共事業(Utilities) | 2.30 % |
不動産(Real Estate) | 2.10 % |
素材(Materials) | 1.90 % |
エネルギー(Energy) | 3.20 % |
組み入れ上位10銘柄
VOOの組入銘柄は下記方針によって選定されます。
- 主に米国の大型株を保有
- S&P500種指数の全構成銘柄に投資
- 四半期ごとに時価総額加重平均を用いて保有銘柄ウエートを算定しリバランス。
上位10銘柄は下記となります。
名称 | 値 | 割合(%) |
---|---|---|
AAPL:USアップル | 30.46 十億 | 6.67 |
MSFT:USマイクロソフト | 25.22 十億 | 5.52 |
NVDA:USエヌビディア | 25.14 十億 | 5.50 |
AMZN:USアマゾン・ドット・コム | 16.71 十億 | 3.66 |
META:USメタ・プラットフォームズ | 10.27 十億 | 2.25 |
GOOGL:USアルファベット | 8.90 十億 | 1.95 |
TSLA:USテスラ | 8.87 十億 | 1.94 |
AVGO:USブロードコム | 8.71 十億 | 1.91 |
GOOG:USアルファベット | 7.21 十億 | 1.58 |
BRK/B:USバークシャー・ハサウェイ | 6.46 十億 | 1.41 |
時価総額の加重平均で保有ウエートなので、 昨今だとIT企業の比率が高くなります。
過去パフォーマンス検証
主要大型米国株にフォーカスした【VOO】と、中小企業含めた米国株式を広くカバーする【VTI】を過去パフォーマンス検証してみました。
【VOO】【VTI】ポートフォリオグロース比較


最も悪かった年
VOO | -4.50% |
VTI | -5.21% |
最も良かった年
VOO | 32.39% |
VTI | 33.45% |
両方のETFとも、米国株式の時価総額ベースなので
年間平均成長率(CAGR) も「12%台」、標準偏差も「13%台」とほぼ同じ値動きですが
最近のIT企業の躍進もあり、VOOの方が成長率が高く安定、VTIの方がボラリティ(変動)が高いと言えます。
【VOO】【VTI】トータルリターン比較


さらに過去の値動きを【SPY】で検証
【VOO】が歴史が浅く、2011年以前の過去パフォーマンス検証ができなかったため
同様にS&P500をベンチマークとしている【SPY】の検証結果もご参考いただくと良いシミュレーションになるかと思います。


【VOO】【SPY】もS&P500をベンチマークにしているため、直近ではほとんど同じ値動きをしています。
SPYの過去パフォーマンス検証はこちらの記事をご参考ください。
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まとめ
S&P500をベンチマークとしたETFであるVOO
を分析してみました。
時価総額中心がゆえ、構成銘柄のセクターがITやヘルスケアなどが多くなり、セクターの今後の動向次第ですが、該当セクターは市場成長が見込まれるため、現状では配当金は低め、トータルリターン が安定しているグロース投資に近くなるのでしょうか?
特性を理解した上で、中長期視点でインデックス投資のポートフォリオのひとつとして組み入れたいETFでした。
※投資は自己責任でお願いいたします。
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