米国株高配当ETF【HDV/VYM /SPYD】とは? – 比較と分析【インデックス投資】

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米国株投資で配当利回ETFの【HDV】【VYM】【SPYD】について比較していきます。

コロナショックによる影響についてもパフォーマンステストしています。

米国高配当ETFとは?

HDV、VYM、SPYDのいずれも、S&P500株価をベンチマークに値動きが同じになるように作られたETFと違って、同じ米国株式でも投資アプローチによって違いがあるので比較していきたいと思います。

S&P 500とは?

S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているアメリカの代表的な株価指数。

ニューヨーク証券取引所、NYSE MKT、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を基に算出される、時価総額加重平均型株価指数。

- WikiPediaより

【HDV】【VYM】【SPYD】比較

世界3大運用会社による、米国株高配当利回りETF、HDVVYMSPYDについて比較していきます。(2020.07)

銘柄
(ティッカー)
HDVVYMSPYD
運用会社Black RockVanguardState Street
ベンチマーク高配当米国株
モーニングスター
配当フォーカス指数
FTSE
ハイデ ィビデンド・
イールド指数
S&P500高配当
配当上位80銘柄均等
構成銘柄数約75銘柄約395銘柄約80銘柄
コアセクターエネルギー
ヘルスケア
通信
ヘルスケア
金融
消費財
不動産
金融
ETF純資産約100億USドル約513億USドル約67億USドル
リバランス四半期年1回半年
1月、7月
配当時期四半期
3月/6月/9月/12月
四半期
3月/6月/9月/12月
四半期
3月/6月/9月/12月
直近配当金
利回り
(年率%)
3.75%3.89%5.47%
経費率
(年率%)
0.08%0.06%0.07%
設定日2011/03/312006/11/162015/10/22

3ETFとも配当利回りが高いのと、経費率の安さが特徴的です。

S&P500の高配当銘柄をベンチマークにしていますが、選定基準に違いがあるため、それぞれ特徴があります。

世界3大運用会社「ブラックロック」「バンガード」「ステートストリート」によってそれぞれ運用されています。

投資アプローチ

各ETFとも、高配当ながら異なるベンチマークや、リバランス(銘柄組み替え)のタイミングが違うので、コアセクターや値動きに違いが出てきます。

HDV 【Black Rock社】- 財務健全性・組み替えの速さ

  • あらゆる時価総額水準の株式銘柄を含むモーニングスター配当フォーカス指数に連動した投資成果を目指す。
  • 主に消費財、生活必需品、エネルギー、石油・ガス、電気通信セクターの企業に投資。
  • 代表サンプリング手法を用いて保有銘柄のウエートを算定

財務健全性が高く、持続的に平均以上の配当を支払うことのできる、質の高い米国籍企業75銘柄で構成

配当として支払うことのできる資金余力(配当力)によってウェイト付けを行っています。

四半期に一度リバランスを行なっているなど、比較的安定した運用を目指していると思われます。

詳しくはこちらの個別ETF分析記事をご参考ください。

YVM 【Vanguard社】- 安定重視の高配当ETF

  • 平均以上の配当を出す普通株で構成されるFTSEハイディビデンド・イールド指数に連動する投資成果を目的。
  • 時価総額加重平均を用いて保有銘柄のウエートを算定。

平均以上の配当を出す普通株で構成、景気動向によって影響を受けやすい不動産・エネルギーセクターを除外。

年1回のリバランスで回転率を低くし安定重視なのが特徴

詳しくは、こちらの個別ETF分析記事をご参考ください。

SPYD【State Street】- とにかく高利回り重視

SYPDの組入銘柄は高配当株中心で、S&P500の80社以上に均等分散。

  • ETFの中でも分配金が高いのが特徴。
  • SYPDの組入銘柄は高配当株中心で、S&P500の80社以上に均等分散

高配当中心に組み入れているため利回りが高いです。その分、景気後退になると株価の下落や無配当や減配リスクも高いと言えます。

利回りが高いということは時価総額の成長率は鈍化していたり、不動産やエネルギー企業が多くなるため景気動向を受けやすい特徴があるETFでもあります。

詳しくは、こちらの個別ETF分析記事をご参考ください。

次に、これらの投資アプローチによって、投資パフォーマンスにどう違いが出てくるのか?

過去データから検証比較していきたいと思います。

パフォーマンス

各ETFは歴史が浅く、パフォーマンスをシミュレーションするのが難しかったのですが、コロナショックの動きがあっため過去のパフォーマンスをPortfolio Visualizerで検証してみました。

ポートフォリオグロース

年次リターン

3ETFとも米国株式投資のため、S&P500の動きに連動して同じような値動きをしていますが、値動きの幅に差が出ています

HDVは

財務健全性を重視しており、エネルギーセクターを保有しているため景気には左右されますが、値動きの+ーの幅(ボラリティ)は小さいです。

VYMは

不動産・エネルギーセクターを除外しているため、景気動向を受けても値動きの+ーの幅(ボラリティ)は小さいでが、時価総額ベースでGAFAMなどIT企業の値動きが影響しています。

SPYDは

高配当中心がゆえ不動産・セクター傾向もあり景気がいい時はリターンも上がる、コロナショックなどの不況時には他ETF比較でリターンが下がる

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まとめ

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高配当が魅力のETF、HDVVYMSPYDを比較分析してみました。

高配当ETF特徴
HDV財務健全性重視・組み替えの速さ
VYM安定重視(不動産・エネルギー除外)
SPYD高利回り重視

各ETFの開始時期が違うため、トータルリターンの単純比較はできませんが、

同じ米国株式高配当ETFでも投資アプローチによって結果どのセクターに投資しているか変わるため中長期で値動きに差が出てきます。

特性を理解した上で、中長期視点でインデックス投資のポートフォリオのひとつとして組み入れたいETFでした。

配当性向やセクター比率でのトータルリターンなど、高配当金重視の投資戦略ではコロナショックによる値動き影響でシミュレーションができたと思います。

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