インデックス投資家に人気の、バンガード・ハイディビデンド・イールドETF「VYM」について分析、他ETF比較していきます。
※投資は自己責任でお願いいたします。
目次
VYMとは?
VYM (Vanguard High Dividend Yield ETF)
は、米国籍のETF(上場投資信託)。
- 平均以上の配当を出す普通株で構成されるFTSEハイディビデンド・イールド指数に連動する投資成果を目的。
- 時価総額加重平均を用いて保有銘柄のウエートを算定。
FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスとは?
FTSE Russellが公表する指数で、米国株式市場における配当利回りが上位の銘柄で構成され、REITは除外
VYMの価格
VYMの直近の価格チャートです。
※データ遅延が起こる可能性があります。
VYMの概要
VYMと同じ運営会社のバンガードのETFで、米国S&P500連動を目指すVOOと比較してみました。
※最新情報は運営会社のサイトを参考ください。
銘柄 (ティッカー) | VYM | VOO |
運用会社 | Vanguard | Vanguard |
ベンチマーク | FTSE ハイデ ィビデンド・ イールド指数 | S&P500 |
構成銘柄数 | 約395銘柄 | 約505銘柄 |
コアセクター | ヘルスケア 金融 消費財 | IT企業 ヘルスケア |
ETF純資産 | 約310億USドル | 1,760億USドル |
リバランス | 年1回 | 四半期 |
配当時期 | 四半期 3月/6月/9月/12月 | 四半期 3月/6月/9月/12月 |
配当金利回り (年率%) | 3.54% | 1.61% |
経費率 (年率%) | 0.06% | 0.03% |
設定日 | 2006/11/16 | 2010/09/09 |
配当利回りの高さ、VOO含めバンガード社の特性でもありますが、400銘柄近い組入れ構成、経費率の安さが特徴的です。
投資アプローチ
FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス
のパフォーマンスへの連動を目指す。- 完全法を用いたパッシブ運用。
- ファンドはフルインベストメントを維持。
- 大型株の中でも、予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄を、重点的に組入れ。
- 低経費によってトラッキングエラーを最小限に抑える。
セクター構成比率
VYMの組み入れ銘柄のセクター構成です。
セクター | 比率 |
---|---|
金融 | 20.0 % |
生活必需品 | 13.7 % |
ヘルスケア | 13.7 % |
資本財 | 9.8 % |
公益 | 9.1 % |
テクノロジー | 8.9 % |
電気通信 | 8.3 % |
一般消費財 | 6.3 % |
Energy | 5.8 % |
素材 | 4.4 % |
組み入れ上位10銘柄
VYMの組入銘柄は下記方針によって選定されます。
- 高い配当利回りの銘柄で構成
- REITは除外
※米国内国歳入庁(IRS)の定める適格配当(qualified dividend)に対して、現行適用されている優遇税率が、REITには適用されないため。 - 年1回のリバランス時にバッファーゾーンを設定、ポートフォリオの回転率を低下。
上位10銘柄は下記となります。(2020.07.31)
名称 | 割合(%) |
---|---|
JNJ:USジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) | 3.54 |
JPM:US JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー | 3.32 |
PG:US プロクター・アンド・ギャンブル(P&G) | 3.14 |
VZ:US ベライゾン・コミュニケーションズ | 2.32 |
CMCSA:US コムキャスト | 2.11 |
BAC:US バンク・オブ・アメリカ | 2.03 |
PFE:US ファイザー | 1.98 |
WMT:US ウォルマート | 1.98 |
T:US AT&T | 1.91 |
INTC: USインテル | 1.90 |
ヘルスケア、金融、消費財、テクノジーの比率が高くなっています。
同じく米国株高配当ETFであるSPYDと比較して、REITを除外しているため不動産セクターの比率が低いのが特徴です。
VYMは平均以上の配当を出す普通株で構成されるFTSEハイディビデンド・イールド指数
連動を目指しているため
時価総額と配当金の高い銘柄が組み入れられるます。
1年に1回のリバランスで、ポートフォリオの回転率を低くしているのが、他の四半期ごとにリバランスを行なっているETFと違う点です。
パフォーマンス
VYMの設定日が2006年と、ちょうどリーマンショックとコロナ影響をシミュレーションできるため、過去のパフォーマンスをPortfolio Visualizerで検証してみました。
ポートフォリオグロース
S&P500種指数との連動を目指す SPY
と比較してみます。


ほぼ同じような推移ですが
2007年のリーマンショック時には同じような下落率ですが、
2020年のコロナ影響では、
時価総額の加重平均である「SPY」は、IT関連銘柄などの比重が多く
配当と時価総額で銘柄選定組み入れされる「VYM」とで
構成セクターの影響による、下落率に差が出ています。
ご自身の投資戦略で、配当金を重視するか、トータルリターン を重視するかで、どのETFを選ぶと合うのか、変わってくるかと思います。
年リターン推移

VYMの価格と配当利回り
VYMの価格チャートと、配当利回りの推移はこちらにまとめております。
実際にETFを購入するには?
証券会社の「定期買付」機能を使いこなして、ETFの積立でインデックス投資をする方法を下記の記事で紹介しています。
まとめ
米国株高配当ETFであるVYM
を分析してみました。
平均以上の配当を出す普通株で構成されるFTSEハイディビデンド・イールド指数
連動を目指し、REITを除外しているのが特徴的
でした。
それでも暴落時にはマイナスリターンとなるためリスクマネジメントが重要になってきます。
ご自身の投資戦略で、インカムゲインである「配当利回り」を重視するか、中長期的な資産形成で「トータルリターン」 を重視するかで、どのETFを選ぶと合うのか変わってくるかと思います。
※投資は自己責任でお願いいたします。
他の高配当ETF比較
HDV、VYMといった他の米国高配当ETFのまとめや、SPYDとの比較はこちらの記事をご参考ください。
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